
くらしのヒント箱
エアコンを設置したばかりなのに「なんだか斜めに見える」「右下がりになっているような気がする」と感じたことはありませんか?実際に、エアコンの取り付けが斜めになっていることは多くの家庭で見られる悩みのひとつです。
エアコンが水平じゃない状態で取り付けられていると、排水トラブルや異音、水漏れといった問題につながる可能性があります。また、見た目の違和感だけでなく、内部機能にも悪影響を及ぼすことがあるため、正確な状態を確認することが重要です。
この記事では、エアコンの傾きは許容範囲がどれくらいなのか、右下がりのような特定方向への傾きがなぜ起こるのか、そして発見した際の傾きの直し方などについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。
「気になるけど、これって問題?」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。設置状態のチェックや、必要に応じた対処方法を知っておくことで、エアコンをより長く安全に使うことができます。
この記事で分かること
- エアコンが斜めに取り付けられる原因とその見え方
- 傾きの許容範囲と正しい設置基準
- 傾いたエアコンによるトラブルの具体例
- 傾きの直し方と専門業者に依頼すべき判断基準
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エアコンの取り付けが斜めになってるけど問題ある?

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- エアコンが傾いて見える原因とは
- 傾いてきた時の対処法
- 傾きの許容範囲はどれくらい?
- 水平じゃないと起こる不具合
- 右下がりに傾く原因と対処法
- 傾きは何ミリまで大丈夫?
- 傾きが手前になるとどうなる?
- 斜めで水漏れが起こる理由
エアコンが傾いて見える原因とは
エアコンが真っ直ぐに取り付けられているはずなのに、傾いて見えることがあります。これは必ずしも設置ミスとは限りません。傾いて「見える」原因には、周囲の環境や視覚的な錯覚が関係していることが多いためです。
まず考えられる要因として、部屋の壁や床が完全に水平・垂直でないケースがあります。特に築年数が経過した建物では、建物の構造自体がわずかに傾いていることがあり、それによってエアコンが水平に取り付けられていても斜めに見えてしまいます。目で見た印象と実際の水平がズレて感じられる現象です。
また、天井の梁やクロスの柄、窓枠など、近くにある直線的なデザインが斜めになっていると、それと比較してエアコンが傾いて見えることもあります。これは「錯視」と呼ばれる現象で、人間の目が他の基準線に影響されて角度を判断するためです。
加えて、部屋の照明や影の入り方によっても見え方は変化します。光の当たり方が偏っていると、陰影によってエアコンの一方が持ち上がっているように感じることがあります。
このように、実際には問題がないにもかかわらず、視覚的な要因によってエアコンが傾いて見える場合があります。正確に判断したいときは、水平器(レベル)などの計測器を使って確認することをおすすめします。
見た目だけで判断して修正を加えると、かえって本当に傾いた状態になってしまうおそれがあるため注意が必要です。
傾いてきた時の対処法

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最初は問題なく設置されていたエアコンが、時間の経過とともに傾いてきたように見える場合は、早めに原因を調べて対処することが重要です。放置すると水漏れや本体の落下といった重大なトラブルに発展するおそれがあるからです。
まず確認したいのは、エアコン本体を固定している金具の状態です。金具のネジが緩んだり、壁材にたわみや剥がれが生じたりすると、エアコンの位置が徐々にズレてくることがあります。
特に石膏ボードなど柔らかい素材の壁に取り付けている場合は、ネジ穴が劣化しやすいため注意が必要です。
次に、室外機との配管やドレンホースが引っ張られていないか確認しましょう。配管の重みや動きによって室内機が少しずつ引き下げられてしまうこともあります。これにより片側だけが下がるような傾き方になることがあります。
対応策としては、まずは目視で状態を確認したうえで、明らかなズレがあれば水平器で角度を測ります。
軽度な傾きであれば取り付け金具の締め直しや補強で対応できる場合がありますが、根本的な原因が壁や構造材の劣化にある場合は、無理に補修を行わず、専門業者に調査・修理を依頼することをおすすめします。
一時的な傾きであっても、ドレン排水に不具合が出るとエアコンの内部に水が溜まり、機器の故障につながる可能性もあります。そのため、少しでも異常を感じたら早めに行動することがトラブルを防ぐポイントです。
傾きの許容範囲はどれくらい?

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エアコンは、まったくの水平に設置するのが理想に思えますが、実はほんのわずかに傾けて取り付けるのが正しい設置方法とされています。
というのも、冷房時に発生する結露水をスムーズにドレンホースへ流すためには、軽度の傾斜が必要だからです。
一般的な許容範囲としては、左右方向で1〜3mm程度の傾きが適切とされています。具体的には、ドレンホースが接続されている側をわずかに下げることで、重力によって水が自然に排出されやすくなります。逆に、この傾斜がないと排水がうまくいかず、水漏れの原因になります。
以下に許容範囲の目安をまとめます:
項目 | 許容傾きの目安 |
---|---|
左右の傾き | 1〜3mmまで |
前後の傾き | 基本的に水平が理想 |
ドレンホース側 | わずかに下げる |
ただし、傾きがこの範囲を超えると、水が逆流して室内に漏れるおそれが出てきます。また、見た目の不安定さから「設置ミスでは?」と不安になる方も少なくありません。
このような理由から、エアコンを取り付ける際には、ただ見た目を重視するだけでなく、機能的にも正しく傾きが保たれているかをチェックすることが必要です。
自分で確認が難しい場合は、施工業者に具体的な傾きの数値を確認するよう依頼すると安心です。
水平じゃないと起こる不具合

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エアコンが水平に取り付けられていない場合、見た目の問題だけでなく、機能面でもさまざまな不具合が発生する可能性があります。特にドレン水(排水)が正しく流れなくなることが代表的なトラブルです。
エアコンの内部では冷房運転中に結露が発生します。この水はドレンパンに溜まり、ホースを通じて外へ排出される仕組みですが、本体が左右どちらかに過度に傾いていると、水が逆流したり、排水されずに溜まってしまったりします。その結果、室内への水漏れが発生することもあります。
また、水平でない状態が続くと、本体に余計な負荷がかかりやすくなります。たとえば、ファンモーターに偏った重力がかかると、異音の原因になったり、部品の摩耗が早まったりすることがあります。これにより、エアコンの寿命が短くなることも考えられます。
さらに、内部で結露水がうまく排出されないまま残ると、カビの発生リスクが高まります。室内機内部に湿気がこもりやすくなり、嫌なニオイの発生や、アレルギーの原因にもなりかねません。
このように、エアコンが水平でないことで起こり得る不具合は、見逃してはならないものばかりです。
設置後に水平かどうかを目視だけで判断するのは難しいため、水平器や水準器を使って確認することが重要です。心配な場合は、専門の業者に点検を依頼すると安心です。
右下がりに傾く原因と対処法

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エアコンが右下がりに見える、あるいは実際に右側に傾いている場合、いくつかの具体的な原因が考えられます。放置しておくと、排水不良や水漏れといったトラブルにつながるため、早めの対処が必要です。
まず最も多い原因は、取り付け時の水平調整不足です。設置作業中に水平器を使わずに目測で取り付けた場合、わずかなズレでも右側が下がってしまうことがあります。
また、ドレンホースが右側に接続されている場合、意図的に右下がりに設置されていることもあります。ただし傾きが大きすぎると排水がうまくいかず、水が逆流するおそれがあります。
他にも、時間の経過とともに固定金具が緩んだり、壁材がへこんだりして右側が下がってくることがあります。特に軽量鉄骨の住宅や、古い木造住宅では、取り付け面が劣化しやすく、結果的に片側が沈んでしまうケースもあります。
対処方法としては、まずエアコンの水平状態を正確に測ることが大切です。水平器を使って左右の差を確認し、3mm以上の傾きがある場合は調整を検討する必要があります。
軽度なズレであれば、ネジの締め直しやスペーサーの追加で対応可能な場合がありますが、壁自体が沈んでいる場合は、取り付け位置を変更するなどの大掛かりな修正が必要になることもあります。
このような症状に気づいたら、まずは原因の切り分けを行い、自己判断が難しい場合は速やかに専門業者に相談するのが安全です。
傾きは何ミリまで大丈夫?
エアコンの取り付け時、傾きがどの程度まで許容されるのかを正しく理解しておくことは非常に大切です。水漏れや機器の故障を防ぐうえで、微妙な傾斜がエアコンの機能にどれほど影響するかを知っておく必要があります。
一般的に、左右方向の傾きについては1〜3ミリ程度が安全圏とされています。特に、ドレンホースが接続されている方向に1〜2ミリほど下がっていることが望ましく、この傾斜によって内部で発生した水分がスムーズに排出される仕組みになっています。逆に、水平すぎると水の流れが滞り、やがて溢れてしまう危険があります。
以下は、傾きの許容範囲を整理した表です:
傾きの方向 | 許容範囲 | 注意点 |
---|---|---|
左右方向 | 約1〜3mm | ドレン側をわずかに下げる |
前後方向 | 原則として水平 | 傾くと冷媒の流れに悪影響が出る場合も |
ただし、3ミリを超える傾きになると、排水経路に無理が生じ、機器内部に水が溜まりやすくなります。その結果、水漏れだけでなく、カビや腐食といったトラブルにもつながります。
このような理由から、設置時には「少しの傾きだから大丈夫だろう」と軽視せず、明確な基準に従って調整することが大切です。
実際の数値を測るには水平器を使うのが確実で、感覚だけで判断するのは避けたほうが良いでしょう。専門の業者であれば、設置時に正確な角度を測定して施工してくれるため、不安がある場合はプロに依頼するのが安心です。
傾きが手前になるとどうなる?

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エアコンが手前方向に傾いている場合、見た目の違和感だけでなく、機能面でも複数の問題が生じやすくなります。特に注意すべきなのは、内部で発生した結露水の排出がうまくいかなくなる点です。
通常、エアコンは室内機の背面側にあるドレンパンで水を集め、そこからドレンホースを通して外部へ排水する構造になっています。
ドレンホースの位置は機種によって異なりますが、一般的には背面または右下側に設けられており、背面に傾斜をつけることで重力を利用して水を自然に流す仕組みになっています。
ところが、本体が手前に傾いてしまうと、排水の流れが逆方向になりやすくなります。この状態では、ドレンパンに溜まった水が正しくホースへ流れず、室内機の内部に水が残ったままになってしまいます。
その結果、運転中に本体から水が垂れる、水漏れが起こるといったトラブルが発生しやすくなるのです。
また、内部に水が残り続けると、カビや細菌の繁殖が進む環境になります。これはエアコンからの異臭や、健康被害のリスクにもつながるため、見過ごしてはいけません。
さらに、傾きによって本体の構造にストレスがかかり、長期間の使用によって固定金具が緩む可能性も出てきます。安全面から見ても、手前に傾いている状態は放置しないほうが良いでしょう。
このような傾きに気づいた場合は、まず水平器を使って正確な角度を測り、明らかに手前に傾いているようであれば、設置業者に相談するのが安全です。状況によっては金具の付け直しや、補強が必要になることもあります。
斜めで水漏れが起こる理由

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エアコンの本体が斜めに設置されていると、水漏れのリスクが一気に高まります。これは、冷房運転中に発生する結露水の排水がスムーズに行えなくなるためです。
設置の傾きが微妙であっても、排水の流れに影響を与える可能性があるため注意が必要です。
エアコンは、空気を冷却する際に内部で湿気を取り除き、その水分をドレンパンに集めて排出する仕組みになっています。
このドレン水は、通常は重力を利用してホースを通じて外へ排出されます。そのため、ドレンホース側を少し下げた状態で設置するのが基本です。
しかし、機器全体が逆方向に傾いていたり、想定以上に大きく傾いていたりすると、排水経路が機能しなくなります。たとえば、以下のような斜めの状態がトラブルを引き起こしやすくなります:
-
ドレンホースと反対側が下がっている
-
手前が下がりすぎている
-
傾きすぎてドレンパンの端に水が溜まってしまう
こうした状態では、水がホースに流れずにパンから溢れたり、機器内部に逆流したりするため、結果として室内に水漏れが起こります。
また、水漏れの初期段階では「ポタポタ音がする」「吹き出し口から水が飛んでくる」といった症状が出ることがあります。このようなサインを見逃すと、壁材や床材が濡れてカビや腐食を招くことにもなりかねません。
水漏れを防ぐためには、エアコン設置時に必ず水平器を使って角度を調整し、必要であれば壁の補強や金具の再調整を行うことが重要です。
特に自分で取り付けや移設をする場合は、細かい角度にも気を配るようにしましょう。少しの傾きが大きな被害を生む可能性があることを、あらかじめ知っておくことが大切です。
エアコンの取り付けが斜めでも使えるのか

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- 傾きの直し方と注意点
- 室内機が水平か確認する方法
- エアコンを斜めの壁に設置する方法とは
- 水平じゃないと寿命に影響?
- 傾いたエアコンが引き起こすトラブル例
- 逆勾配で起こるトラブル
- プロに依頼すべき傾きの判断基準とは
傾きの直し方と注意点
エアコンが傾いてしまっている場合には、早めに対処することが必要です。なぜなら、放置してしまうと水漏れや部品の不具合など、さまざまなトラブルにつながるからです。ここでは、傾きを直す基本的な手順と注意点について説明します。
まず、自分で対応する前に確認したいのは「どの程度傾いているか」です。水平器を使って測定し、左右方向で3mm以上の傾きがあれば修正が必要になります。
次に、設置されている金具やビスの緩みがないかをチェックしましょう。経年劣化や振動によってネジが緩み、傾きが生じるケースも少なくありません。
修正方法は傾きの原因によって異なります。金具の緩みが原因であれば、ネジを締め直すだけで解決する場合があります。一方で、壁自体が沈んでいる場合や、取り付け位置に問題がある場合は、設置し直す必要があります。
特に壁が石膏ボードなどの柔らかい素材である場合、ビスが効かなくなって傾きやすくなることもあるため、アンカーや補強材の使用が必要になることもあります。
注意点として、自力で対応しようとする際には感電や機器の破損リスクも伴うため、作業に慣れていない方は無理をしないようにしてください。配管や電源コードに負荷をかけると、見えない部分で損傷する可能性もあるからです。
最も安全なのは、信頼できる業者に依頼して点検・修正してもらうことです。多少の費用はかかりますが、機器を長く安全に使うためには必要な投資と言えます。見た目の違和感だけでなく、内部機能のトラブルにもつながることを考えると、早期対応が肝心です。
室内機が水平か確認する方法

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エアコンの室内機が水平に設置されているかどうかは、見た目だけでは判断が難しいことがあります。少しでも不安を感じた場合には、実際に測定器を使って確認することが正確です。ここでは、自宅でもできる簡単な確認方法を紹介します。
最も一般的で正確なのは「水平器(レベル)」を使う方法です。ホームセンターなどで手軽に購入できるもので、エアコン本体の上部に水平器を当てることで傾きが一目で分かります。
このとき、ドレンホース側が1〜3mm程度下がっているのが理想的です。完全に水平にすると、排水がスムーズに流れず逆にトラブルを招くことがあります。
また、スマートフォンのアプリを使って水平を測る方法もあります。近年は高精度な「水平測定アプリ」が多く出ており、スマホを本体上部に置いて傾きを確認することも可能です。
ただし、スマホの形状やケースによって測定結果に誤差が出ることもあるため、できれば専用の水平器を使う方が正確です。
確認時には以下のポイントに注目しましょう:
-
左右どちらかが極端に下がっていないか
-
ドレンホースのある側が若干低くなっているか
-
見た目に違和感がある場合は錯視の可能性もあるため、数値で判断する
こうした確認作業は、設置直後だけでなく、長期間使用しているエアコンにも定期的に行うと良いでしょう。壁材の劣化やネジの緩みなどによって、時間とともに傾きが生じることがあるためです。
一方で、測定の結果、明らかに傾いているにもかかわらず水漏れなどのトラブルが起きていない場合でも、油断せず業者に一度点検を依頼することをおすすめします。見えない部分で排水に不具合が起きている可能性もあるからです。
エアコンを斜めの壁に設置する方法とは

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エアコンの取り付け場所に斜めの壁しかない場合、どのように設置すればよいか悩む方も多いのではないでしょうか。
実際には、斜めの壁でも適切な施工を行えばエアコンの設置は可能です。ただし、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。
まず確認したいのは、「壁の傾斜角度」と「エアコンの重量」です。斜めの壁に直接本体を取り付けてしまうと、傾きの影響で排水トラブルや構造的な不安定さが生じるため、通常の取り付け方法は使えません。
このような場合には、「専用の取り付けベース」や「水平調整用の金具」を使用することで、壁が傾いていても本体を水平に保つことが可能です。
また、斜めの壁では設置スペースが制限されやすいため、以下の点も確認する必要があります:
-
上部と側面に十分なスペースがあるか
-
室外機までの配管ルートを確保できるか
-
ドレンホースの傾斜を確保できるか
これらの条件がクリアできない場合は、取り付け位置を再検討する必要があります。特に配管や電源の位置が限られている場合には、設置場所を柔軟に考えることも大切です。
なお、斜めの壁に取り付ける際は、見た目にも注意が必要です。角度によっては本体が浮いて見えたり、部屋全体のバランスが崩れて感じられることがあります。そうした場合は、化粧パネルなどで美観を整える工夫をすることも有効です。
このように、斜めの壁への設置には専門的な知識と施工技術が求められます。自己判断で無理に取り付けを行うと、結果として故障やトラブルの原因になってしまうため、最初から専門業者に相談するのが安全で確実です。
場合によっては壁の補強や下地の作成が必要になることもあるため、施工経験のある業者を選ぶことがポイントです。
水平じゃないと寿命に影響?
エアコンが水平に設置されていないと、内部の負荷が増し、結果的に寿命が短くなることがあります。
これは、冷媒や排水がスムーズに流れなくなり、部品に余計なストレスがかかるためです。特にドレンホースがうまく機能せず、水が逆流したり内部にたまったりすると、カビの発生や基盤の故障を引き起こす可能性があります。
水平ではないエアコンは、コンプレッサーやファンモーターのバランスにも悪影響を及ぼします。少しの傾きでも回転部分に偏った負荷がかかり、異音や摩耗が早まることがあるのです。
また、排水が正常に行われないと、内部で水分が停滞しやすくなり、サビや腐食が進むことで耐用年数が短くなるリスクも高まります。
こうした影響を避けるためには、定期的に水平を確認し、必要に応じて微調整を行うことが重要です。
簡単なチェック方法としては、水平器やスマートフォンの測定アプリを使うほか、運転中の水漏れや異音を注意深く観察することが挙げられます。
明らかに傾きが原因と考えられる症状が出た場合は、自分で直そうとせず業者に依頼する方が安全です。
エアコンは一度設置すると10年以上使用するケースも多い機器です。傾きを放置すると小さなトラブルが積み重なり、結果的に修理や買い替えのコストが増える可能性があるため、水平調整は長く快適に使うための予防策と言えるでしょう。
傾いたエアコンが引き起こすトラブル例

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エアコンが傾いたまま使い続けると、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。特に多いのは、ドレン水が正常に流れずに起こる水漏れです。
本来、ドレンホースは少し下り勾配になるよう設計されていますが、傾きによって勾配が逆転すると、水が本体内部にたまってしまいます。
その結果、カビや異臭の原因になるだけでなく、電子基板やセンサー部分が水でショートする危険もあります。
他にも、以下のような不具合が起こることがあります。
-
コンプレッサーやファンの回転バランスが崩れ、異音が発生する
-
冷媒の流れが悪くなり、冷暖房の効率が低下する
-
内部にたまった水分でサビが進行し、部品寿命が短くなる
-
ドレンホース内にゴミが詰まりやすくなり、排水不良が頻発する
また、見た目の問題も無視できません。傾いたエアコンは、壁に対して不自然な角度で設置されているため、部屋全体の印象を損なうことがあります。特にリビングなど人目に付く場所では、設置の不具合が気になる原因となるでしょう。
こうしたトラブルを防ぐには、早期に水平確認を行い、必要に応じて設置位置の修正を行うことが肝心です。前述の通り、自己判断での調整はリスクを伴うため、専門業者に依頼する方が結果的に安心で確実です。
逆勾配で起こるトラブル
エアコンの設置において「逆勾配」は絶対に避けなければならないトラブルの一つです。逆勾配とは、排水用のドレンホースが、本来流れるべき方向とは逆に傾いている状態を指します。
この状態になると、エアコン内部で発生した結露水がスムーズに流れず、さまざまな不具合を引き起こす原因となります。
通常、エアコンの冷房運転中には空気中の湿気が冷却部分で結露し、水として内部のドレンパンに溜まります。そしてこの水は、重力に従ってドレンホースを通じて室外へ排出される仕組みです。
そのため、ドレンホースには排水方向へ緩やかな下り傾斜(勾配)をつけて設置する必要があります。
しかし、逆勾配になってしまうと、以下のようなトラブルが発生しやすくなります:
-
排水が滞り、室内機から水漏れする
-
ドレンパンに水が溜まり続け、内部でカビやバクテリアが繁殖する
-
冷房効率が落ち、エアコンの寿命を縮める
-
異臭の発生や、機器の電子部品に悪影響が及ぶ
特に設置直後の施工ミスや、経年劣化でドレンホースが垂れ下がってしまうケースで、逆勾配が発生することがあります。また、配管の取り回しが複雑な場合や、長すぎるホースを無理に曲げて使っている場合も注意が必要です。
逆勾配かどうかを確認するには、ドレンホースに水を少量流してみる方法があります。ホースの出口からスムーズに水が出てこなければ、途中で水が滞留している、つまり逆勾配の疑いがあります。
もしくは、目視でホース全体が緩やかに下っているかどうかを確認することも効果的です。
修正が必要な場合は、ホースを支える部材(支持金具やバンド)を増やしたり、勾配が確保できるよう配管ルートを見直す必要があります。自力での対処が難しい場合は、設置業者や空調の専門業者に相談するのが安全です。
このように、「逆勾配」は目立ちにくいトラブルですが、放置すると水漏れや機器の故障に直結します。エアコンの安定した使用を継続するためには、初期の施工時にしっかりと排水経路が確保されているかどうか、特に注意して確認することが重要です。
プロに依頼すべき傾きの判断基準とは

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エアコンが傾いているかどうかは、目視では判断がつきにくいことがあります。少しのズレであれば問題ないようにも見えますが、実際には内部の排水や冷媒の流れに影響することがあるため、明確な判断基準をもとに判断することが大切です。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、迷わずプロに相談するのが安心です。
【専門業者に依頼すべき判断基準】
状況 | 詳細内容 |
---|---|
傾きが3mm以上ある | 水平器で測って3mm以上ズレている場合は排水トラブルのリスクあり |
水漏れが発生している | 明らかに本体からポタポタと水が落ちてくる場合、傾きが原因の可能性大 |
異音がする | ファンやモーターに負荷がかかり、回転のバランスが崩れている場合も |
自力で調整が難しい構造 | 高所設置や壁材が特殊な場合は無理せず専門家へ相談を |
また、設置から数年経過してから傾いてきた場合も注意が必要です。これは壁材の劣化や固定金具のゆるみが原因で、本体を触らずともじわじわと傾いてくるケースがあります。目に見えない部分の問題であるため、状況を正しく判断できるプロの目が必要です。
もう一つの判断基準としては、「見た目に違和感があるけれど実害が出ていない」場合です。
前述のとおり、錯視によって水平でも斜めに見えることがあるため、自己判断で修正を試みると、むしろ本当に傾いた状態にしてしまうことがあります。このようなケースでも、業者に水平確認を依頼する方が安全です。
プロの業者であれば、正確な測定機器を使って水平の誤差をチェックし、必要な調整を行ってくれます。また、壁材の強度や配管の状態も併せて確認してくれるため、再発防止にもつながります。
少しでも傾きが気になる場合は「まだ大丈夫」と放置せず、早めに専門業者に相談することが、エアコンを長く安全に使い続けるための近道です。
まとめ:エアコンの取り付けが斜めに傾いてる場合に知っておくべき重要ポイント
- 傾いて見える原因は錯視や部屋の構造の歪みによることが多い
- 壁や床が水平でないことで真っ直ぐ取り付けても斜めに見える場合がある
- 傾いてきた場合は金具のゆるみや壁材の劣化が原因になりやすい
- 配管やドレンホースの重みが傾きを引き起こすことがある
- 見た目ではなく水平器などの測定器で角度を確認するのが正確
- 許容される傾きは左右方向で1〜3mm程度とされている
- ドレンホース側をわずかに下げることで排水がスムーズになる
- 前後の傾きは基本的に水平であることが望ましい
- 手前に傾くと排水が逆流しやすくなり水漏れリスクが高まる
- 水平でないとファンモーターや冷媒の流れに悪影響を及ぼす
- 右下がりはドレンホースの接続位置次第では許容範囲に入ることもある
- 逆勾配になるとドレン水が排出できず故障や悪臭の原因になる
- 斜めの壁に設置する際は補強や専用金具を使って水平を確保する必要がある
- 水漏れや異音、異常な冷暖房効率低下は傾きによる不具合の可能性がある
- 3mm以上の傾きや構造に不安がある場合はプロに相談するのが安全
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