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廊下へエアコン取り付けたいけれど、家の中の温度差や空調効率ってどうなんだろう?と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に夏の蒸し暑さや冬の冷え込みが気になりやすいのが、廊下や玄関まわりです。
これらの空間は外気の影響を受けやすく、エアコンの風が届きにくいため、快適な室内環境を保つには一工夫が必要です。この記事では、廊下にエアコンを取り付けることによって得られる効果や、玄関との温度差を抑えるための具体的な方法、設置場所や配線・配管の注意点など、実際に役立つ情報を詳しく解説していきます。
廊下へのエアコン取り付けによって、家全体を快適に保つためのヒントを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
- 廊下にエアコンを取り付けることで得られる具体的な効果
- 廊下や玄関などへの設置場所の選び方と注意点
- 室外機が置けない場合の代替手段や対応方法
- 廊下エアコンの運用による電気代や空調効率への影響
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廊下へのエアコン取り付けポイントと注意点

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- 廊下にエアコンを取り付ける効果とは
- エアコンの風は廊下まで届く?
- 廊下に囲まれた部屋のエアコン対策
- エアコンを取り付け可能な場所は?
- 室外機が置けない部屋でもエアコンを設置できる?
- 玄関や廊下にエアコンを設置するメリット
- 玄関にエアコン設置する際の注意点
- 階段にエアコン設置はできる?取り付けのコツ
廊下にエアコンを取り付ける効果とは
廊下にエアコンを取り付けることで、家全体の温度バランスが整いやすくなります。特に家族の動線上にあたる場所や、温度差が生じやすい空間では、エアコンの設置が快適さに大きく影響します。
まず、廊下は玄関や各部屋、階段などとつながっているため、外気の影響を受けやすい場所です。夏は熱がこもりやすく、冬は冷気が溜まりやすいため、冷暖房が効きにくいという問題が起こりがちです。
こうした廊下にエアコンを設置することで、廊下だけでなく接続している他のスペースの温度も緩やかに調整され、住環境がより快適になります。
また、温度差によるヒートショックのリスクを軽減できる点も見逃せません。たとえば冬場、暖かい部屋から寒い廊下に出た瞬間に血圧が急上昇することがあり、高齢者や持病のある方には特に注意が必要です。
廊下にエアコンを設けることで、家全体の温度が均一に保たれ、体にかかる負担を和らげることができます。
ただし、廊下は空間が細長く、壁面も少ないため、設置場所の選定には注意が必要です。人の行き来を邪魔しない位置に設置することが重要ですし、風向きや風量も調整できる機種を選ぶと効果的です。照明や収納など、ほかの設備との干渉も考慮する必要があります。
このように、廊下にエアコンを取り付けることには快適性や安全性の向上といった大きな効果がありますが、設置にあたっては機器の選定や設置場所の工夫が求められます。
エアコンの風は廊下まで届く?

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リビングなど主要な部屋に設置したエアコンの風が、廊下までしっかり届くとは限りません。ドアの開閉状況や室内の構造、エアコンの性能によって冷暖房効果は大きく左右されます。
例えば、リビングから続く廊下に冷気を送りたい場合でも、ドアを閉めてしまえば空気の流れは遮断されます。
仮にドアが開いていたとしても、エアコンの風は真っ直ぐに流れるため、廊下の隅々まで行き渡ることは難しいでしょう。特に夏場の冷房時には、冷たい空気が下に溜まりやすく、廊下全体を均一に冷やすには不向きです。
このような問題に対応する方法として、サーキュレーターの併用やエアコンの吹き出し口の向きの調整などが挙げられます。
サーキュレーターを活用することで空気を循環させ、廊下にもエアコンの風を行き渡らせやすくなります。ただし、これらの対策にも限界があり、建物の構造や断熱性能が影響します。
一方で、暖房の場合は冷房よりも風が伝わりやすい傾向があります。暖かい空気は上昇するため、階段や上の階に熱が伝わることがありますが、それでも廊下全体を暖めるには時間がかかることもあるでしょう。
そのため、エアコン1台で複数の空間をカバーしようとする場合は、設置場所や風向き、補助機器の導入などを総合的に検討する必要があります。
十分な冷暖房効果を得たい場合には、廊下にも専用のエアコンを設けることが現実的な解決策といえます。
廊下に囲まれた部屋のエアコン対策
廊下に囲まれた部屋では、空気の流れが遮断されやすいため、冷暖房の効率が悪くなりがちです。このような構造の部屋では、エアコンによる空調が他の部屋よりも難しくなる傾向があります。
こうした部屋の主な課題は以下の通りです。
-
廊下を通じた外気の影響を受けやすい
-
熱気や冷気が部屋にこもりやすい
-
風通しが悪く、換気がしにくい
このため、通常のエアコンを設置しても快適な温度を保つのが難しいケースが多く見られます。特に建築時にエアコン設置を想定していない場合、配管ルートや室外機の設置場所が確保できず、後付けが難航することもあります。
そのようなときには、以下のような対策が考えられます。
-
窓用エアコンや移動型エアコンの活用
-
ダクト型の冷暖房システムを導入する
-
部屋ごとに独立した冷暖房設備を整える
-
換気扇や小型のサーキュレーターを併用する
特に最近では、配管工事が難しい部屋でも設置できる「ノンドレン式の室内機」や、「室外機一体型エアコン」なども登場しており、施工性や設置自由度が向上しています。
ただし、こうした対策を講じる前に、建物の断熱性能や気密性を確認しておくことが重要です。外気の影響を受けやすい部屋であれば、いくら冷暖房を強化しても効率は上がりません。
このように、廊下に囲まれた部屋のエアコン対策には、室内環境と建物構造を考慮したうえで、適切な冷暖房機器の選定と設置計画が求められます。
エアコンを取り付け可能な場所は?

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エアコンはどこにでも取り付けられるように見えて、実際にはいくつかの制約があります。快適に使うためには、建物の構造や空気の流れ、配管のしやすさなどを総合的に考慮しなければなりません。
一般的にエアコンを取り付けられるのは、以下のような場所です。
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壁面に十分な強度があり、室内機を固定できる位置
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室外機との距離が近く、配管を通しやすい場所
-
風通しがよく、冷気・暖気が循環しやすい部屋
-
室内に家具やカーテンなどの障害物が少ない箇所
-
コンセントが近くにあり、専用の電源が確保できる場所
中でも特に重要なのが、配管の取り回しです。エアコンは冷媒配管を通じて室内機と室外機を接続するため、距離が長すぎたり、障害物があったりすると施工が難しくなります。
さらに、壁の材質によっては設置が制限されることもあります。たとえば、鉄筋コンクリート造やALC壁などでは、穴あけや配線が制限されるケースがあるため注意が必要です。
加えて、室内機の位置も重要です。高すぎると風が部屋全体に届かず、低すぎると人に直接風が当たってしまうなど、不快な状態になる可能性があります。
理想的な高さは、床から約2m前後とされており、これは冷気が下に流れる性質を考慮した設計です。
このように、単にスペースが空いているからという理由だけでは設置場所を決めてはいけません。風の流れやメンテナンス性、配管ルートなどをしっかり検討することで、効率的で快適な冷暖房が実現できます。
室外機が置けない部屋でもエアコンを設置できる?

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室外機の設置場所が確保できない部屋でも、工夫次第でエアコンを取り付けることは可能です。近年は住宅事情に対応した多様な製品が登場しており、設置の自由度が高まっています。
その代表例として、「室外機一体型エアコン」や「ウィンドウエアコン(窓用エアコン)」が挙げられます。
室外機一体型は、室内機と室外機の機能を1台にまとめたタイプで、ベランダや屋外スペースが確保できないマンションや高層階に最適です。
ウィンドウエアコンは、窓枠に取り付ける構造で、配管工事が不要な点が特徴です。賃貸住宅でも使いやすく、取り外しも比較的簡単です。
他にも、以下のような方法があります。
-
隣接する部屋や廊下に室外機を設置し、配管を延長する
-
屋上やベランダの天井部分に吊り下げ金具で設置する
-
床置き型エアコンや移動式冷房機を利用する
ただし、どの方法にも注意点があります。たとえば配管を延長する場合、冷暖房の効率が落ちることや、断熱処理が不十分だと結露の原因になることもあります。また、移動式冷房機はコンセントから電源をとるため、電気容量の確認も必要です。
これらの対策は一時的な解決には向いていますが、長期的に使用する場合は工事業者に相談して、建物全体の配管ルートや電源設計を見直すことも検討しましょう。
このように、室外機が設置できないからといって諦める必要はありません。製品選びや工夫次第で、快適な空調環境を手に入れることは可能です。
玄関や廊下にエアコンを設置するメリット

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玄関や廊下にエアコンを設置することは、一見すると過剰な設備のように思われがちですが、実際には大きなメリットがあります。特に家全体の快適性と安全性を高めるという点で、非常に有効な手段です。
まず、家の中で温度差が大きくなりやすいのが玄関や廊下です。これらのスペースは断熱性能が低く、外気の影響を受けやすいため、夏は暑く、冬は極端に寒くなります。
エアコンを設置することでこの温度差を緩和でき、ヒートショックのリスクを下げることができます。
次に、空気の流れを整えるという点も大きなメリットです。廊下は部屋と部屋をつなぐ動線上にあり、冷暖房された空気が廊下を経由して他の部屋へと流れることがあります。
このとき廊下の温度が極端であると、他の部屋への影響も大きくなります。廊下自体を快適な温度に保つことで、家全体の空調効率を高めることができます。
また、帰宅時にすぐ快適な空間を感じられるのも玄関エアコンの利点です。玄関が冷えていたり、蒸し暑かったりすると、それだけで不快に感じてしまいます。
玄関にエアコンがあれば、外出から戻った瞬間に快適な空気が迎えてくれるため、心理的な満足度も高まります。
ただし、これらの空間は人が長時間滞在する場所ではないため、エアコンの能力や機種選定には注意が必要です。
消費電力の少ない小型タイプや、人感センサー付きで自動運転が可能な機種を選ぶと効率的です。また、設置位置によっては扉の開閉や動線を邪魔しないような工夫も必要になります。
このように考えると、玄関や廊下へのエアコン設置は、単に快適性を高めるだけでなく、健康面・効率面の両方にメリットがある施策だといえるでしょう。
玄関にエアコン設置する際の注意点
玄関にエアコンを設置する場合、設置そのものは可能ですが、いくつかの注意点を理解しておかないと、かえって効果が薄れたりトラブルにつながることがあります。とくに他の部屋と違って、玄関ならではの構造や使い方に合った配慮が必要です。
まず確認すべきは、設置スペースの確保です。玄関は靴箱や収納、玄関ドアなどが集中する狭い場所です。そのため、室内機を取り付ける壁面が限られており、高さや奥行きにも配慮が必要です。
玄関ドアの開閉時に風が直接当たると不快に感じることがあるため、風向きも考慮した設置位置の調整が求められます。
また、玄関は外気と直結している場所なので、断熱性が低い傾向にあります。せっかくエアコンを取り付けても、ドアの開閉によって冷気や暖気が逃げやすく、効率が落ちてしまうことがあります。このような場合は、次のような対策を組み合わせると効果的です。
-
ドアに隙間テープや断熱パネルを設置する
-
玄関ドアにカーテンや間仕切りを設ける
-
エアコンには人感センサー付きや自動オンオフ機能のある機種を選ぶ
さらに注意したいのが、湿気対策です。玄関は雨の日に靴が濡れたり、外気との温度差によって結露が発生しやすい場所です。
結露がひどくなるとカビや腐食の原因にもなるため、除湿機能のあるエアコンを選ぶ、あるいは除湿器と併用するのもおすすめです。
このように、玄関は一見するとエアコン不要に思えるかもしれませんが、実は暑さや寒さが集中する場所でもあります。ただし設置時には、スペース・断熱・湿気など複数の条件を踏まえ、適した機種選びと施工プランを立てることが必要です。
階段にエアコン設置はできる?取り付けのコツ

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階段にエアコンを設置することは可能ですが、慎重に検討すべきポイントがいくつかあります。階段は形状が複雑で、人の通行も多いため、設置位置や風の向き、安全面など複数の視点から計画を立てる必要があります。
まず設置可能かどうかの判断材料となるのが、「壁面の確保」です。階段は手すりや吹き抜け、傾斜のある天井などによって壁が限られる場合があります。
そのため、施工業者と相談しながら、室内機の固定ができるしっかりした壁を見つけることが第一歩になります。
また、階段は上下の空気が流れやすい場所でもあります。これを逆手に取れば、1台のエアコンで上下階の空気を調整する「中継ポイント」として活用することも可能です。
たとえば冬場は暖かい空気が上昇しやすく、階段にエアコンを設けることで2階のホールまで暖気を届けることができます。
一方で、次のような注意点もあります。
-
高所に取り付けると掃除やメンテナンスがしにくい
-
エアコンの風が階段の昇降時に直撃すると不快感を覚える
-
子どもや高齢者のいる家庭では風の当たり方によって体調に影響が出る可能性がある
このような場合には、風向きを細かく調整できるタイプや、上下左右のスイング機能がある機種を選ぶと快適性が保てます。また、リモコンの受信感度や設置の高さも重要です。
階段の中間あたりに取り付けるとリモコンが反応しにくくなることがあるため、スマートフォン対応機種なども視野に入れるとよいでしょう。
階段へのエアコン設置は、一台で広範囲をカバーしたい場合や、上下階の温度差を調整したい家庭にとって効果的な方法です。
ただし構造や利用頻度、安全性を十分に考慮し、最適な位置や機種を選ぶことが成功のカギとなります。
廊下へのエアコン取り付け場所の選び方

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- 2階廊下にエアコンを設置する方法
- 2階ホールエアコン位置の決め方
- 廊下に最適なエアコンの能力とは
- 玄関と廊下にエアコンで家全体を快適に
- エアコン設置で廊下の温度はどう変わる?
- 配線と配管の注意点
- 廊下に取り付けたエアコンの電気代は高い?
2階廊下にエアコンを設置する方法
2階廊下にエアコンを設置する場合、注意すべき点がいくつかあります。特に配線ルートや室外機の位置、安全面の配慮など、1階と比べてハードルが少し高くなるため、設計段階から計画するのが理想です。
まず確認しておきたいのが、エアコンの取り付けに適した壁があるかどうかです。廊下は窓が少なく壁が狭い傾向にあるため、室内機を設置するスペースが限られていることが多くなります。そのため、以下のような壁面を見つけることが設置の第一歩になります。
-
天井近くまで壁面が続いている部分
-
人の動線を妨げない位置
-
配管穴を空けても構造上問題のない場所
特に2階廊下の場合、配管を外に通すためには1階の屋根や外壁を通す必要があるため、外観への影響も考えて配管ルートを慎重に設計する必要があります。
曲がりの少ない、短い配管ルートの方が冷暖房効率が良いため、施工業者との事前相談は欠かせません。
さらに、室外機の設置場所もポイントになります。2階から距離が遠い場合、以下のような場所を候補にできます。
-
ベランダやバルコニーの片隅
-
屋根の上に設置する(※落下防止対策必須)
-
1階の外壁沿い(長めの配管で対応)
設置後は、風の流れをチェックし、廊下全体に風が届くように調整しましょう。細長い廊下では風が一方向にしか行かないことがあるため、サーキュレーターの併用も有効です。
このように、2階廊下へのエアコン設置は制約も多いですが、事前の計画と工夫によって十分に快適な空間をつくることができます。
2階ホールエアコン位置の決め方

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2階ホールにエアコンを設置する際には、「どこに取り付けるか」という位置選びが冷暖房効果に直結します。見た目だけでなく、空気の流れや安全性、メンテナンス性も意識して決める必要があります。
まず、2階ホールは複数の部屋とつながっていることが多く、冷気や暖気が広範囲に流れる空間です。そのため、以下のようなポイントに着目して設置位置を考えると、空調効率を高めることができます。
-
吹き抜けや階段と接する場所は温度差が出やすいため、空気が上昇・下降しやすい位置に設置
-
各部屋に通じる廊下の中心部分に設置すれば、空気の分散がしやすい
-
吹き出し口が人に直接当たらないよう、壁の高い位置やコーナー部分を活用
ホールの構造によっては、片側にしか壁がない場合や、梁・柱の影響で設置スペースが限られることもあります。その場合には、天井付けタイプやスリム型エアコンといった選択肢も検討の余地があります。
また、風向きは非常に重要です。冷房時には冷たい空気が下に流れるため、階段側に向けて風を送れば1階にまで冷気が届きやすくなります。逆に暖房時は、空気が上にたまるため、床近くに向けて送風するか、サーキュレーターで循環させる工夫が必要です。
その上で、以下のような施工面の確認も忘れず行いましょう。
-
ブレーカーからの電源が確保できるか
-
配管を通せる壁かどうか
-
室外機までの距離や設置場所の確保が可能か
このように、2階ホールのエアコン位置は、単なる「空いている壁」に取り付ければ良いというものではありません。空気の流れと使用目的をしっかり見極めて、適切な設置位置を選びましょう。
廊下に最適なエアコンの能力とは

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廊下にエアコンを設置する際は、部屋に設置する場合とは異なり、必要な冷暖房能力の考え方が少し変わってきます。
廊下は面積こそ小さいものの、他の部屋や玄関とつながっている場合が多いため、実際には「広い範囲の空気を緩やかに調整する」ことが目的になります。
まず、一般的なエアコンの能力(kW)を考えるときには、部屋の畳数を目安にすることが多いですが、廊下の場合は下記のような条件を踏まえて検討する必要があります。
廊下の特徴 | エアコン能力の目安 |
---|---|
廊下だけの冷暖房が目的(断熱性あり) | 2.2kW(6畳用程度) |
廊下+玄関など開放的な空間 | 2.8~3.6kW |
廊下から階段や2階まで風を送る | 4.0kW以上を検討 |
このように、周辺空間とのつながりが強いほど、ワンランク上の能力が求められることがあります。たとえば、吹き抜けがある家や階段を通じて上下階の温度調整をしたい場合は、一般的な6畳用エアコンでは能力不足になる可能性が高いです。
ただし、能力が高すぎるエアコンを設置すると、冷暖房の立ち上がりが早すぎてかえって不快になることもあります。
また、消費電力も大きくなるため、実際の使い方に見合った適切なサイズを選ぶことが重要です。
もう一つ意識したいのが「風量の調整機能」です。廊下では直接風が当たらないようにしたり、緩やかに空気を循環させたりすることが求められるため、微風運転や風向きの細かい調整が可能な機種が向いています。
このように、廊下に最適なエアコンの能力は、単なる畳数ではなく、空間のつながり・目的・建物構造をもとに慎重に選ぶことが大切です。
玄関と廊下にエアコンで家全体を快適に
玄関や廊下にエアコンを設置することで、家全体の空調バランスが大きく改善されます。これらの場所は「通り道」であると同時に、冷暖房の効きにくいゾーンとして知られています。
そのため、ここに空調を加えることが、他の部屋の快適性にも良い影響をもたらすのです。
まず、玄関と廊下は家の中で最も温度差が出やすいエリアです。外から冷気や熱気が入りやすく、かつ各部屋とつながっているため、ここの気温が周囲の部屋の室温にも影響を及ぼします。
特に冬場、暖かいリビングから寒い廊下を通ってトイレや洗面所へ移動する際、体に大きな負担がかかります。このような温度差を和らげるために、廊下や玄関にもエアコンを設置することで、冷暖房のムラを抑えられるのです。
さらに、空気の流れを整えることにもつながります。廊下は家の中心的な導線であるため、空気を効率的に循環させる場所として機能します。
たとえば、玄関と2階がつながる構造であれば、玄関や廊下にエアコンを設置することで、1階から2階にかけての温度差を調整する効果も期待できます。
家全体の快適性を高めるためには、以下のようなポイントを意識するとよいでしょう。
-
廊下と玄関を結ぶ位置に設置し、空気が通りやすい動線をつくる
-
室温センサー付きの機種を選び、温度ムラを感知して自動調整できるようにする
-
風が直接人に当たらないよう、スイング機能で風向きをコントロールする
なお、玄関や廊下は短時間しか滞在しない場所であるため、冷暖房の「補助的な役割」として運用するのが基本です。リビングなどの主空間を補完するように設置し、家全体の空調効率を高めることが、無駄なく快適な住まいをつくるコツといえます。
エアコン設置で廊下の温度はどう変わる?

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廊下にエアコンを設置することで、温度環境は大きく改善されます。特に冬の冷え込みや夏の蒸し暑さが緩和され、家の中の移動が快適になります。
これは単に「廊下が暖かく(または涼しく)なる」というだけでなく、家全体の空気の流れに影響するため、居住環境そのものの質を向上させる要因となります。
一般的な住宅では、廊下は断熱性が低く、外気の影響を受けやすい構造になっています。
そのため、リビングなどの主要な部屋と比べて温度差が生じやすく、エアコンの風も届きにくい場所です。このような空間にエアコンを導入することで、以下のような変化が見られます。
項目 | エアコン設置前 | エアコン設置後 |
---|---|---|
冬の廊下温度 | 室温より5~10℃低い | 室温との差が2~3℃程度に緩和 |
夏の廊下温度 | 室温より3~5℃高い | ほぼ室温と同等に安定 |
空気の循環 | 停滞しやすい | 他室への流れがスムーズになる |
このように温度差が緩和されることで、寒暖差による体へのストレスが減少し、生活動線全体が快適になります。特に朝の支度や夜の移動が多い家庭では、エアコンの効果を実感しやすいでしょう。
一方で、過度な暖房・冷房を避けるためにも、設定温度や運転モードの調整が重要です。廊下は長時間滞在する場所ではないため、常に強運転にする必要はありません。以下のような工夫で、省エネと快適性の両立が可能になります。
-
人感センサー付きのエアコンで、人がいるときだけ運転する
-
タイマー運転で朝や夜の移動時間帯だけ稼働させる
-
扇風機やサーキュレーターと併用して空気を循環させる
このように、エアコンを設置することで廊下の温度は確実に安定し、結果的に家全体の空調効率と快適性が高まります。ただし使い方次第で効果が大きく変わるため、生活スタイルに合わせた運用がポイントになります。
配線と配管の注意点

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エアコンを取り付ける際には、本体そのものの設置位置に注目しがちですが、実際には配線や配管の計画も非常に重要です。
これらの工事が適切に行われないと、冷暖房効率が落ちるだけでなく、後々のトラブルの原因になることもあります。
まず確認したいのが、電源の位置と容量です。多くの家庭用エアコンは「専用回路」での接続が必要となり、延長コードや既存のコンセントとの併用は基本的に避けるべきです。
とくに古い住宅では、分電盤の容量が足りなかったり、専用のコンセントが設けられていないケースもあるため、設置前に電気工事士による確認が必要です。
次に重要なのが、冷媒配管とドレンホースの取り回しです。冷媒配管は室内機と室外機をつなぐ役割を果たし、冷暖房の効率に直接関わってきます。このとき、以下のような点に注意が必要です。
-
配管の距離は短く、曲がりが少ない方が効率的
-
室内配管を隠蔽するか露出するかによって仕上がりが大きく異なる
-
ドレンホース(排水用)は下向きに勾配をとる必要があり、逆勾配になると水漏れのリスクが高まる
また、廊下などの限られた空間に設置する場合は、配管をどこから通すかが施工の難所になることがあります。
たとえば壁の裏側に構造材があると、貫通穴が空けられない場合もあり、ルートの工夫が求められます。
さらに、美観を損なわないようにカバー(化粧ダクト)を使って配管を整理することで、仕上がりがすっきりし、ホコリのたまりにくい状態を保てます。
見た目だけでなく、清掃やメンテナンスのしやすさにもつながるため、検討しておきたいポイントです。
このように、エアコンの取り付けは本体の設置位置だけでなく、配線・配管ルートを含めた総合的な計画が必要です。安全性と効率性、見た目の仕上がりまでを考慮して施工を進めることが、後悔のない設置につながります。
廊下に取り付けたエアコンの電気代は高い?

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廊下にエアコンを設置した場合、気になるのが「電気代は高くなるのか?」という点です。実際のところ、使い方次第で電気代は大きく変動しますが、正しく選び、上手に運転すれば、それほど大きな負担になることはありません。
まず、廊下は面積が比較的小さく、使用頻度も限定的な場所です。そのため、リビングなど広い部屋に比べて小さな容量のエアコンで十分カバーできます。
たとえば6畳用のエアコン(2.2kW前後)を選べば、年間の電気代は次のようなイメージになります。
条件 | 電気代(月あたり目安) |
---|---|
冷房:1日8時間、7月〜9月 | 約1,000〜1,500円 |
暖房:1日8時間、12月〜2月 | 約1,500〜2,000円 |
このように、他の部屋と比べて稼働時間が短い場合は、そこまで電気代が膨らむことはありません。ただし、次のような要素によっては電力消費が増える可能性もあります。
-
外気の影響を受けやすく、断熱性が低い廊下の場合
-
エアコンのサイズが大きすぎる(必要以上の能力)
-
常時運転しっぱなしでオフにしない
一方で、省エネ運転やタイマー設定、人感センサー機能などを活用することで、無駄な電力をカットすることも可能です。また、エアコンの効率を高めるために、扇風機やサーキュレーターを併用するのも有効な方法です。
このとき、エアコンの能力だけに頼るのではなく、断熱対策(隙間風の防止や内窓設置など)をあわせて行うことで、冷暖房の効率はさらにアップします。
つまり、廊下のように狭い空間であっても、正しい製品選びと工夫された使い方によって、電気代を抑えながら快適な空間を維持することは十分に可能です。
廊下へのエアコン取り付けで快適な住環境を実現するポイント
- 廊下にエアコンを設置すると家全体の温度差を緩和できる
- 夏の熱こもりや冬の冷え込み対策として有効
- ヒートショック予防にもつながり高齢者にも安心
- 廊下は空間が狭く設置場所選びに工夫が必要
- ドアの開閉や構造により風が廊下に届きにくいことがある
- サーキュレーターを併用することで空気循環を助けられる
- 廊下に囲まれた部屋には個別空調やダクト型が効果的
- 壁の構造や材質により設置可否が分かれるため事前確認が重要
- 室外機が置けない場合は窓用や一体型エアコンで対応可能
- 廊下や玄関の空調で家全体の空気の流れがスムーズになる
- 人感センサー付きや自動運転機能が省エネにつながる
- 断熱対策と併用することで冷暖房効率が上がる
- 2階廊下の設置は配管ルートや外観への配慮が必要
- 廊下の空調には風量調整機能付きの小型エアコンが適する
- 適切な設置と運用により電気代を抑えつつ快適性を得られる
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